雑学クイズ

肥満の原因を探る！

世界では、肥満が原因で命を落とす人が毎年280万人もいます。
人間の進化の源とされるもの…それは脂肪を蓄えることです。
脳で膨大なエネルギーを消費するため、
人間には、少なくとも1年分以上の脂肪が自動的に蓄えられるといいます。
体脂肪率で比べれば、この説が立証できる。似たような環境で暮らす、原住民とチンパンジーで比較。
3％～5％の体脂肪率であるチンパンジーに対し、原住民は10％～25％、
身体の大きさを加味してもその差は明らかだ。

それでは何故人間は、必要以上の脂肪を取り込んでしまうのか？
「もうエネルギーは充分だよ！」この情報を脳に伝える役目にあるのが、脂肪細胞によって作り出された「レプチン」だ。
つまり食欲を抑えられない原因は情報が脳に届いていないということだ。
では何故届かないのか。それは、慢性的な食べ過ぎによって血管内に流れ込んだ油が、
同じく血管内を移動し脳へと向かうレプチンの進路を塞いでいるからです。
血管外へ出られなくなったレプチンは脳へたどり着けず情報は消えてしまいます。

ここまでは肥満の初期段階。重症化すると…
メッセージ細胞の勘違い
血管内に流れ込んだ油を敵と勘違い。「体中に敵がいる！」とメッセージを出してしまう。
それを聞いた免疫細胞が戦闘モードに変化し、分裂、増殖。
血管内部に侵入し、大量の油を食べ続けます。しかし結果、あちらこちらで破裂し、
ばらまかれた有毒物質（免疫自身が持っていた武器）によって血管は激しく傷つけられ、
「心筋梗塞」や「脳梗塞」などの疾患を引き起こします。いわゆる免疫の暴走です。

肥満に対する最新医学
免疫細胞をターゲットにした薬の開発が、現代医学の大きな動き。
①「筋肉が免疫の暴走をとめる！」「筋肉を動かせば、メッセージ細胞が正しい判断をする！」
運動中の物質である、「ＩＬー6」が、油の摂りすぎによる誤ったメッセージを抑制する！
②満腹を伝える物質「レプチン」を外部から取り込み、量を増やす！
実際に海外では、レプチンが薬として認可され、食欲に悩まされた方々の未来を照らしている。